透明度の高くてガラスのようなアクリル看板。さまざまな場所で見かけたことがあるのではないでしょうか?アクリルはホームセンターやインターネットなどで気軽に入手できる素材の一種です。小さな看板であれば自分で挑戦してみたい!と考えた方もいるのではないでしょうか。
アクリルの加工は特別な機材も必要なく、身近にあるものと塗料を用意するだけで簡単に作成できます。「自分でこだわりの看板を作ってみたい」「少しでもコストを抑えたい」とお考えでしたら、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
今回はアクリル素材や、アクリル看板の作成方法とコツについてご紹介いたします。自身で手間をかけて、素敵な看板を目指してみましょう。
そもそもアクリル看板ってどんなもの?適した設置場所
アクリル看板とは、その名の通りアクリル素材を使用した看板です。
アクリルとはプラスチックの1種で、強度が弱い印象のあるプラスチックの印象を覆す、高い耐久性をほこります。また、透明度も高く、まるでガラスのような美しさを持っているのも1つの特徴です。アクリルはガラスと比べて軽量で、落としたとしても割れにくいです。そのため、安全性も高くさまざまなものに使用されています。
身近なものでいえば、透明なフォトグラフ、ボックスケース、テーブル、ショーウインドウ、大きいものでいえば水族館の水槽にまで用いられているのです。
アクリル材の本来の魅力は以下の点です。
- ・加工が簡単
- ・着色が容易
- ・美しい透明度
- ・ガラスに比べて軽量
- ・価格が安価
もちろん、アクリルは看板の素材としても使用されています。アクリルを使用した看板は現在さまざまな場所に使用されています。美しいアクリルを使った看板はどのようなシーンで使用されることが多いのでしょうか?
・アクリル看板はどのようなシーンで利用される?
アクリル板が使用されるシーンは多岐にわたります。アクリル看板と聞いて、想像するのは会社などの表札かと思います。アクリルはその抜群の透明度や、まるでガラスのような光沢とツヤの特徴を生かし、洒落な看板としておかれていることも多いです。
また、着色も容易で、透明で透き通った色から、透明度の低い白色までさまざまなカラーリングにすることができます。そのため、シックで美しい印象を与える看板から、ポップで楽しそうな印象を与える看板まで、自由に作ることができます。ガラスに比べて軽量なので、壁に負荷を与えにくいのも特徴といえます。
透明さを生かして、別の素材や壁と一体化させて質感を出すことができます。アクリルだけではなく、重ねた素材も際立出せ、相乗効果でより印象深いものを作ることができるのも、アクリル看板の特徴でしょう。また、会社の看板だけでなく、その加工の容易さ、光の透過性、丈夫さから壁面看板や振袖看板、置き看板、内向タイプの看板など、幅広い場所で使用されています。
・アクリル看板の設置に適したおすすめの場所とは?
アクリル看板は加工自由度が高いため、デザイン変更の幅が広いです。そのうえ、アクリルは炎天下、雨風、雪など天候の変化にも強く、室内・室外問わずに使用できるのも魅力といえます。ただし、透明なアクリル板の場合、その美しい透明度ゆえにガラスと同様、こまめな手入れが必要といえます。
透明なので、ホコリや汚れといったものが目立ちやすく、定期的な清掃を要します。そのため、手間をかけずに設置したい場合は、少し場所を選ぶ必要があるかもしれません。
手作りのアクリル看板を作成する手順と作成のコツ
アクリル板は加工が容易なので、自力で作成してみることも可能です。自分の思い描いた看板を作りたい場合、細部にまでこだわってみたいのであれば、挑戦してみるとよいでしょう。
アクリル看板を自作する手順
アクリル板を自作していく場合、以下のものが必要となります。
【必要なもの】
- ・板にするアクリル板
- ・マスキングテープ
- ・塗料
- ・デザイン
- ・印刷用の用紙
- ・カッターナイフやデザインナイフ
- ・アクリルラッカースプレー
【手順】
- ① 看板のデザインを決め、用紙に実寸大で用紙に印刷する
- ② アクリル板にマスキングテープを張り付ける
- ③ マスキングテープの上からデザインを印刷した用紙を貼る
- ④ カッターナイフなどを使用して、デザイン用紙の上からデザイン通りにカットする
- ⑤ デザインが書かれていた用紙と切った部分のマスキングテープを丁寧にはがす
- ⑥ 上から塗料を何回かに分けて塗る
- ⑦ マスキングテープを丁寧にはがす
- ⑧ 塗料の保護として透明のアクリルラッカースプレーをまんべんなく散布する
うまく作成するコツとは?
看板作成にはポイントがあります。以下の点に気をつけるだけで、見違えるほどよい仕上がりになるかもしれません。
●自分でアクリル板のサイズを調整するときは「定規」を使う
加工が容易とはいえ、アクリル板をカットする際はやや慎重に作業する必要があります。アクリル板をカットする前に、表面に定規と鉛筆を使用してうっすら線を引きます。その上をなぞるようにカッターで切っていきますが、完全に切断してしまうと作業がしにくくなるうえ、断面の見栄えも悪くなってしまうので、だいたい厚みに対して3分の1程度カットしていくとよいでしょう。
その後、机の端にカットした線をあわせ、力を入れるとパキッと容易に割ることができます。割れた断面は鋭利にとがっていることも多く、触れるとケガをすることもありますのでサンドペーパーなどで研磨して丸くしておくと安全です。
●デザインの難易度は高すぎないか
看板のデザインはさまざまです。ごくシンプルなものから、複雑かつ繊細なものまで多岐にわたります。
自分で作成する場合、あまり複雑すぎると失敗する可能性が高くなります。また、複数の色を扱う場合は、デザインの切り込みを入れるタイミングをずらすなどして、効果的にマスキングテープを使用していかないとまだらになったり、色がくすんでしまったりなどせっかくの着色が失敗に終わってしまうことも十分考えられます。
そのため、初めて自分で看板をアクリル作成する際は、シンプルかつ単色を心がけると仕上がりが美しくなるでしょう。「細かい部分まで再現したい」「複数の色を使って美しい着色をしたい」のであれば、プロの手を借りた方が無難かもしれません。
●マスキングテープを貼るときはふちが重なった方がよい
マスキングテープを貼る際、テープ同士の重なる場所は数ミリ重ねておいた方がよいです。隙間なくきっちり貼る方がよいのでは?と思うかもしれませんが、マスキングテープ同士の隙間に塗料が流れてしまうこともあり、はがした後にデザインがぼやけてしまうことが考えられます。
マスキングテープを重ね貼りすることで隙間を作らず、きれいな仕上がりにすることができます。ただし、重なった部分はややカッターが通りにくくなるため、慎重に切り抜くようにしましょう。
●塗料は基本「2度塗り」
アクリル看板を作る際、塗料を散布しますが、基本的に2度塗りを行った方がよいです。1度の塗だけだとムラができてしまう可能性があり、見た目のグレードが低下してしまうことがあります。しっかり乾いてからもう一度上から塗料を塗ることで深みが増し、失敗のない看板にすることができます。
刷毛やスプレーで塗る場合、1回目に上下に動かすように塗ったら、次は左右に動かすように塗ることでムラができにくくなります。
●アクリルラッカースプレーを塗り忘れない
アクリルラッカースプレーとは、仕上げに使う透明の塗料です。デザインを着色したアクリル看板は、乾いていれば指で触れても塗料が取れませんが、雨風などにさらしているうちに流されたり、乾燥で剥がれてしまいます。
アクリルラッカースプレーを看板の前面に散布することで塗料を保護することができます。塗る際は、着色時と同様にムラができにくい2度塗りを行うようにしましょう。
【自分で看板を設置するときの注意点】
自身で看板作成をする際、もっとも気をつけたいことは「ケガ」です。マスキングテープをカットする際、カッターを使用します。
看板の制作は慣れない作業であることが多いうえ、集中して作業をしなければいけない都合上、思いのほか注意力が低下しやすいです。必ず、刃先に自身の手などを置かないように気をつけて作業をしていく必要があります。
業者に依頼する場合に知っておきたい!ポイントと注意点
より質感のある、しっかりとした看板を制作してもらうならプロに依頼をした方が確実です。しかし、誤った方法で選んでしまうと、思ったデザインと異なる看板が完成してしまったり、安くしようとしたらかえって高くなってしまった…ということも十分にありうるのです。
看板とは、そのお店や企業、建物の「顔」となる“だいじなもの”です。作成する場合は依頼先を慎重に選んでいきましょう。
看板製作を業者に依頼するには2通りある!
看板の依頼方法として、主に「インターネット通販」と「直接依頼」があります。インターネットの通販の多くは、完成した看板を自宅まで送り届けてきてもらえるため、実際の看板業者が遠い地にあっても依頼をすることができます。たとえば、自宅周囲に看板を依頼できる業者が思い当たらなくとも、気軽に制作してもらえるというのが大きなポイントといえるでしょう。
また、直接赴くこともないため、交通費などを削減でき、格安で看板を作ることができます。
直接依頼は、看板業者に直接赴いたり、来てもらったりなどして、デザイン交渉などを踏まえつつ作ることができます。直接看板について相談することができるうえ、場合によっては交渉中に即興でデザインに起こしてもらえたりなど、納得のいく看板を作りやすいです。
インターネットでの看板作成よりやや高価になってしまう場合が多いですが、完成形に失敗の少ない方法といえます。
業者選びは慎重に!
看板の制作を依頼する場合、決して価格にとらわれすぎないことが重要です。価格が安すぎても、高すぎてもよくありません。安価だからと依頼すると、質の悪い看板が納品されてしまったり、高いから安心して依頼をすると、思ったデザインと異なったものが出来上がることもあります。
業者を選ぶ際は「自分のイメージした看板のデザインが得意かどうか」「費用と質が釣り合っているかどうか」という点に注目していく必要があります。また、看板業者は業者によって費用が大きく異なります。そのため、必ず相見積りが重要になります。見積書を複数用意することで価格の比較や施工内容などを比べ安くなり、より良い業者を選ぶ材料となるでしょう。
まとめ
アクリル板は丈夫で透明度や質感が高く、安価で扱いやすい素材です。ガラスに比べて重量が軽いので、落とした場合でもケガをする危険性は低く、割れることも少ないです。
また、アクリル素材は加工が容易なため、看板にも使用されています。持ち前の透明度を生かした使用方法が多く、さまざまなシーンで活躍しています。
アクリル看板は自力でも作成できます。しかし、加工が簡単だとはいえ、きれいな看板製作にはコツが必要です。そのため、よりこだわり看板を目指しているのであれば、業者に依頼するとよいでしょう。