街を歩けば次々と目に飛び込んでくる様々な種類の看板やネオンサイン。
色・形・大きさなど多様で、たとえ似たような感じの看板でも、よく見ると使われている素材に違いがあったりします。
いざ看板を製作することになったら、看板を一括りにするのではなく、目的に合わせて適切な素材選びをすることで、仕上りだけでなくコスト面においてもメリットが出てきます。では何を選んだらよいか、適切な素材を選択するために、素材の基礎的なことを知っておきましょう。
看板の素材には、金属素材やアクリル板素材など様々な材質が使われていて、それぞれ特徴があります。同じ内容でも印象が大きく変わってきますので、素材選びはデザインを考えるのと同じくらい大切なことです。
アルミの板の間に芯材を挟んだ素材です。錆びない、軽いのが特徴で使い勝手が良く様々な場所の看板に使用されています。屋外で使用していても変形しない強度も注目ポイントです。
アルミ複合板のアルミ部分を鉄に変えたものです。
店舗内掲示板として利用されることが多く、表面処理を行えばメニューを書くホワイトボードとして使用することもできます。表面が鉄なのでマグネットの利用も可能です。
樹脂で作られたパネルです。柔軟性があり、曲げて使うことも可能です。
また、光を通しますのでパネルの中に照明をいれて使うこともできます。
木板は、他のパネルと比べると耐久力が劣りますが独特の温もりや、木目調を活かすなどデザイン性が豊かです。また、ベニヤ板や無垢材などパネルの種類も豊富です。
ステンレスは錆びにくいので屋外看板として利用しやすいほか、見た目が美しいので素材を活かしたシンプルな看板が作れます。
パネル素材が決まったら、次はパネルを設置するためのフレーム素材選び。フレームによっても印象が違いますので大変重要です。
使用期間や看板の重量等に合わせて適切なフレームを選ぶことで、経済的な負担の軽減にもつながります。
強度は金属素材と比べると低いですが、コストが低いので短期間の使用に最適です。
ただし、雨に濡れるとカビが生えたり腐ったりすることがありますので、注意が必要です。
耐久力が高く、溶接を行うことで大型の看板を取り付けることもできます。
屋外で長期使用するにはサビないように塗装など表面処理が必要になります。
軽量で錆びず様々な場所で手軽に使えますので、パネルと同様に採用される機会が多い素材です。
私たちが「看板」と聞いてイメージするもの以外にも、様々な看板が存在します。
例えば革製品を扱っているお店では合皮レザー素材にロゴを印刷して看板としたり、例えば建設会社では、工事の際に設置する養生シート素材に会社名や売り出し中の物件を印刷して看板とするなど、業種によっては看板の形態もいろいろです。
目的や設置場所を考慮しながら、最適なパネル素材とフレーム素材の組み合わせを見つけましょう。
業種によって看板の形態も違うと述べましたが、恒久的な看板ではなく、定期的に内容を更新できる看板を希望する事業主さんも中にはいらっしゃいます。
例えば、季節によってメニューを替えたい、店舗の窓やシャッターに変化をつけたい、などというケースが考えられるでしょう。こうした場合は、シートを張り付けるタイプの看板が便利です。
表面に光沢があり、鮮やかに発色します。裏面にのりづけして貼り合わせるのが一般的な方法です。
駐車場や不動産の売地などでよく見られるトタン製の看板でよく使われます。
光を通す素材で作られているため、中に光源を入れる看板に使用されます。
消灯時には色が濃く見えるのが特徴。
夜間営業をする店舗の大型看板としてよく使われます。
磁石がつく面であれば、パネルを使用せずと使用可能です。
シャッターやホワイトボードに貼り付けられている事もあります。
素材が決まればいよいよ印刷です。
しかし印刷用のインクにも様々な種類があり、各々の素材に適したインクが存在します。
種類によって色味もが変わってきますので、インクの使い分けも大切になります。
有機溶剤と顔料を混ぜたインクで、溶剤が印刷面の表面を侵すことで高い浸透と定着力があります。メタリックカラーなど特殊な色合いも使用できます。
紫外線を照射させることでインクを瞬時に定着させます。
従来では難しかった凹凸のある板面などにも印刷が可能です。
水と顔料を混ぜたインクで紙媒体に適しています。
印刷代を比較的安価に抑えることができ、室内に設置する看板に向いています。
上に挙げた以外にも多種類のインクがありますので、どんな材質であってもインクジェット素材として印刷出力することが可能です。どのインクを採用するかで看板の品質にも差が出るため、しっかり選ぶようにしましょう。
このように、看板はパネルやフレームの素材とインクの組み合わせによって、幅広い表現が可能です。ただ、表現方法が広がるほど、自分たちだけで判断するのは難しくもなります。
そんな時に頼りになるのが数多くの看板を手掛けてきた業者の存在です。
どんな看板が適しているのか迷った時には、デザインから素材・インク選びに至るまで、看板製作の仕事を依頼してみるのも良いでしょう。
きっとクオリティの高い看板作品を作る力になってくれるはずです。