街中には、いろいろな看板がありますよね。人の目に留まる看板は、みなさんそれぞれ違います。
街を見渡すと、アニメキャラクターやモデルさんが大きくのっている看板もあれば、お店の人気商品がのっている看板、レトロ感が漂う看板もあります。さてこの「レトロ」という言葉、意味を詳しく説明することはできるでしょうか?
今回のコラムでは、「レトロ」という言葉の意味をおさえつつ、レトロな看板の作り方についてお伝えします。
昭和を思い出させてくれるレトロな看板の作り方に興味のある方はぜひ参考にしてください。
そもそも「レトロ」ってどんな意味?
そもそも、「レトロ」という言葉の意味を知らない方からすると、レトロがピンとこない方もいます。
この言葉は、最近ファッション業界でも取り上げられることも増えたため、世間でも浸透しつつあります。たとえば「この家の外観は、レトロだよね。」といったように、会話の中に普通に使われますが、ここではきちんと正しい意味を解説します。
この言葉には、2つの意味があります。1つ目は、「懐古的なこと」。2つ目は、「古いものを好む」です。簡単に言ってしまえば、「古くからある懐かしいものを好む」という意味です。
レトロの反対語は「モダン」という言葉になります。こちらの言葉の意味は、「現代的な、新しいイメージ」ということです。古いものを新しいものに取り入れたものが、よく聞く「レトロモダン」です。若い世代の方には、レトロモダンな着物の人気が高まっています。
レトロという言葉を理解していただいたところで、よく似た意味合いをもつ「ヴィンテージ」があります。この2つは似ていますが、実際は意味が違うのです。
「ヴィンテージ」が使われる商品といえばワインが有名です。それもそのはず、この言葉は、そもそもワインに対して使われていた言葉です。意味としては、「古くて価値があるもの」とされています。
つまり、「レトロ」は単純に古いものを懐かしんだり、好んだりするときに使われます。「ヴィンテージ」は古くて価値があるものに使われるのです。どちらも共通に「古い」という意味が入っているため、迷ってしまうと思いますが区別できるとかっこいいですよね!
なぜ人はレトロな看板に興味をもつのか
現代には、スマートフォンやタブレットなど便利なものがあふれています。今の若者は、便利で簡単でスマートなデザインに囲まれ育っているので、反対に不格好でめんどうくさくて、手のかかるものが新鮮に感じるのです。
たとえばインスタントカメラ。昭和生まれには馴染み深く、いつの間にかデジタルカメラに座を奪われ消え去ってしまいました。しかしここ数年、若者の間でブームがきています。デジタルカメラとは違い、その場で確認もできない、加工もできない、そのままの瞬間を写すインスタントカメラが斬新で、刹那的な美しさを持つようです。
このように昭和の雰囲気を漂わせる物は、看板というデザインでも若者を引き寄せています。スタイリッシュなデザインがあふれる現代では、不完全で、ダイレクトに表現されているレトロな看板が目新しく感じるのです。
また昭和世代からするとレトロ看板は、懐かしく「楽しかったあの頃」を彷彿させつためホッと安心できるような感覚になります。
以上のことから、老若男女問わずレトロなものに心惹かれるため、看板さえも思わず足を止めて見入ってしまうのです。
昔の看板からレトロな特徴を勉強しよう!
レトロな看板が作りたい!と思ったときは、実際に昔、使用されていた看板を見て、勉強することが一番です。ここでは昔の看板がどのようなものであったか、ご紹介します。
昔の看板は、原色を使用していることが多いです。今の看板のように背景の色を変えて「こなれ感」を表現するようなものではなく、青や黄色、レンガ色、ピンク、緑といった1色だけで背景にしていることが多いです。
お店の内容を伝える文字も、オシャレな文字ではなくゴシック体や明朝体のものが多いのが特徴です。また、看板全体を文字やイラストで埋めるのではなく、程よい空間があることで、本当に伝えたいことだけを取り入れた看板が一般的でした。
レトロ感は、印刷するときのインクのつき方でも表れます。色がはっきりついているほうが、目立つため、看板としてはよいと感じる方が多いでしょう。しかし、少しインクがかすれているほうが、より自然な雰囲気を出すためナチュラルなレトロ感が出ます。
上記に書いたことだけで、本当にレトロな看板を作ることができるの?と思う方もいらっしゃいますよね。上記以外にも、レトロな雰囲気が出る方法はありますが、まずは簡単なことから試してみましょう。
レトロ看板にはサビが必須!加工のやり方
レトロ看板をインターネットなどで検索すると、原色の看板だけでなく、サビのついた看板が表示されると思います。このサビこそがレトロ看板の象徴なのです
では実際に看板にサビをつけてみましょう!
準備するもの
・プライマー(下地材)
・塗料材(最初に塗る泥のような色の塗料・サビ色の塗料)
・スポンジ(2個用意しておくと便利)
・筆
・手袋(塗料で手を汚さないため)
塗り方
まず、プライマーを看板に塗っていきます。プライマーを塗る前に、看板にホコリなどの汚れがあるときは、きれいにしてから塗ってください。プライマーが乾燥してから、泥色の塗料を塗ってください。塗料材を塗るときには、スポンジで塗ることでいっきに広範囲を塗ることができます。
全体をきれいに塗ることができていなくても、サビを演出する色の塗料を塗るので大丈夫です。もし、塗ることができていないところが気になるなら、筆を使って塗りましょう。
塗った塗料が乾いたら、いよいよ、サビ用の塗料を塗ります。きれいなスポンジで塗るよりも、スポンジを手でちぎりボコボコとした面で塗ると味が出ます。看板全体を塗るのではなく、ポンポンとサビをつけたいところだけ塗るようにしてください。
サビの塗り方に、正解はありません。ご自身のつけたいようにサビをつけていきましょう。塗料は、乾くまで少し時間がかかります。乾かないうちに、触れてしまうと指の跡がついてしまうので気をつけてくださいね。
もし、塗料をはやく乾かしたい!と思ったら「ヒーティングガン」というドライヤーのようなものがあります。とっても熱くなるので、使用には注意してください。
まとめ
今回はレトロな看板の作り方についてご紹介してきました。言葉の意味を知らなかった方も、理解していただけたでしょうか。
「レトロ」は、古いだけでなく、なにか心が温まるような雰囲気があります。最近では、看板だけでなく、置物や家もあります。ひとりひとり気に入るレトロは違うでしょう。ご自身の好きなレトロを見つけてみるのも楽しいですね。
また看板にサビをつける方法もお伝えしました。サビをつけるためには、たくさんの工程が必要かと思いきや、じつは簡単につけることができます。
ぜひ今回の記事を参考に、サビをつけてみてお店の看板にレトロを取り入れてみてください。多くのお客様の目に留まるかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。