店舗や会社への看板設置を検討している方のなかには、看板の耐用年数、という言葉を目にする方も多いのではないでしょうか。看板の寿命のことだろう、と勘違いされる方も多いようですが、これは誤りです。
じつは看板というものは、会計処理の際に固定資産として計上されるものであり、また減価償却の対象となります。そのときに関係してくるのが、看板の耐用年数なのです。そこでこの記事では、そんな看板の耐用年数について、また減価償却との関係性についてなどを詳しく解説していきます。
なお、最後には集客力をアップさせる看板のポイントや設置のコツなどもご紹介していますので、取り付けを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
1.耐用年数とは|看板そのものの寿命のことではない
看板を設置する上でいろいろ情報を調べていると、耐用年数という言葉が出てくることがあり、気になっている方も多いでしょう。ここではまず、この看板の耐用年数という言葉がどのような意味なのかをご紹介していきます。
耐用年数は資産計上できる年数のこと
看板の耐用年数とは、簡単にいうと資産計上できる年数のことです。
本記事冒頭でもお伝えしたとおり、看板を会社や店舗などに設置する場合、会計処理のときには固定資産として計上することになります。このとき、設置した看板が資産としての価値を持っているかどうかの寿命を示すものとして定められているのが、耐用年数です。
つまり看板の耐用年数とは、価値の寿命を示したもの、ということになります。
耐用年数と耐久年数の違い
看板の耐用年数を、耐久年数と同じ意味として解釈してしまう方が多くいるようですが、実際の内容は違います。
前述のとおり耐用年数は、会社や店舗などに設置した看板が資産としての価値の寿命をどれだけ持っているか、という意味です。これに対して耐久年数とは、看板そのものが設置されてからどれだけの年数利用可能か、という意味になります。このように、耐用年数と耐久年数は、名称こそ似ていますが異なるものなのです。
上記のことから、看板における耐用年数と耐久年数の違いはわかっていただけたのではないでしょうか。
なお、実際に看板を会社や店舗に設置してからどれくらい利用可能なのかを知りたい、という場合は、耐久年数を参考にするとよいでしょう。また、いつ買い替えたり新しくしたりする必要があるのか、という目安として利用することもできます。
看板の利用料の勘定科目の考え方
少し話がそれますが、そもそも看板は会計処理の際に固定資産として計上するというが利用料などはどのような扱いになるのか、と疑問を持っている方もいるかもしれませんね。このことに関して、ここで簡単に解説しますね。
確かに看板を設置する際には、その場所を借りて取り付けるということもあるでしょう。そしてその際、場所を借りることで料金の支払いが発生する場合もあります。
なおこの料金の支払いに関しては、固定資産としては計上されません。この利用料などは、固定資産ではなく賃借料もしくは広告宣伝費という勘定科目に割り振られるのです。
少々補足のような内容となりましたが、看板の設置を検討されている場合は、このこともあわせて頭に入れておくとよいでしょう。
2.耐用年数と減価償却の関係性
看板の耐用年数と減価償却には、大きな関係性があります。ここからは、資産としての価値の寿命を意味する耐用年数が、減価償却とどのような関係にあるのかをご紹介していきますね。
減価償却とは購入費用を分割して経費計上すること
まずは、減価償却の意味についてからご説明します。減価償却とは会計処理方法のひとつで、看板などの固定資産となるものを購入してから、その費用を一定の期間に分割して経費として計上する仕組みのことです。
そしてこの減価償却をおこなう一定の期間というものは、用途と資産にもとづき国によって定められています。この国が定めた期間こそが、ここまでで触れてきた(法定)耐用年数なのです。
このように、耐用年数と減価償却は非常に大きな関係性を持っています。そのため、これらはセットでしっかりと覚えておくようにしましょう。
なお、以下で減価償却についてイメージしやすいように、簡単に計算の例をご紹介しますね。
例)設備購入費用を耐用年数で分割して減価償却を計算する
すでにお伝えしているとおり減価償却は、購入費用をその耐用年数で分割して計算し、経費として計上するというものです。
たとえば、200万円の設備を購入したとしましょう。そして、この耐用年数が5年だったとします。この場合、200万円を5年で割って、40万円となりますね。つまりこの40万円というのが、1年間で経費として計上されるものとなるのです。
なおこのとき、200万円の設備を全額支払って購入していたとしても、一度にまとめてではなく、耐用年数にあわせて5年の期間をかけて計上することになります。この理由としては、購入した段階での費用を計上してしまうと、その年度に計上する費用が大きくなってしまい、正確な業績を把握することができなくなってしまうためです。
ただし、使用期間が1年未満である場合や購入費用が10万円未満である場合は、その年に計上することが可能となっています。
3.看板の種類による耐用年数の違い
ここまでで耐用年数、またこれと減価償却との関係性についてはわかっていただけたのではないでしょうか。そこで次に気になるのが、実際の看板の耐用年数はどれくらいなのか、ということ。
なお看板の耐用年数というのは一概に、〇年です、とはいえないのです。なぜなら、看板の種類によってこの耐用年数が異なるため。さらに、看板の種類のなかでも材料によっても細かくわけることができるのです。
そこでここでは、看板の耐用年数をその種類、また材料ごとにご紹介していきます。
スタンド看板の耐用年数
スタンド看板とは、A型看板や手書きの木製看板といった、飲食店などでよく見かける看板のことです。このタイプの看板は、器具・備品として耐用年数が定められています。
木製:3年
金属製:10年
電飾看板の耐用年数
電飾看板とは、店頭などでよく用いられる明かりがつく看板のことです。設置場所は固定されずに移動が可能なので、これも器具・備品として耐用年数が定められています。なお、耐用年数に関しては基本的にはスタンド看板とそれほど大きく変わりはありません。
木製:3年
金属製:10年
突き出し看板の耐用年数
突き出し看板とは、名前のとおり建物の壁面から突き出して設置される小型のもので、おもにビルにおいてロゴなどを表示するときによく用いられる看板のことです。このタイプの看板は、前述のとおりビルや建物に固定されているので、建物附属設備として耐用年数が定められています。
金属製:18年
そのほか:10年
袖看板の耐用年数
袖看板は、上記の突き出し看板と同じタイプとされる看板です。おもに縦長の形状をしており、ビルの建物のフロアに入っている複数の社名などを表示する際に用いられます。突き出し看板同様、袖看板に関しても建物付属設備として耐用年数が定められています。
金属製:18年
そのほか:10年
野立看板の耐用年数
野立看板とは、会社の入り口や電車から見える位置に設置される看板のことです。タワーサインとも呼ばれ、埋め込み式の自立看板になります。そのため、ロードサインなどによく用いられる看板です。このタイプの看板は、構築物として耐用年数が決まっています。
金属製:20年
そのほか:10年
※ロードサインとは、道路標識や案内板などのことで、さまざまな種類が存在します。
「器具・備品」「建物付属設備」「構築物」以外に「消耗品費」に分類される場合も
ここまでの内容でお気づきの方も多いかもしれませんが、看板というものは資産計上をおこなう際には「器具・備品」「建物付属設備」「構築物」という勘定科目に分類されます。
しかし、場合によっては上記以外の勘定科目に分類されることもあるのです。それが、「消耗品費」。
ここに分類される条件としては、10万円未満である場合です。そのため、比較的安く看板を設置することができた、という場合はこの消耗品費として計上することができます。
4.会社や店舗への看板設置で集客力を上げるには
看板を設置することの最大の目的や効果として、集客力を上げる、ということがあげられます。しかしいざ取り付けようとしても、実際どのような、またどのように看板を設置するのがよいのだろうか、と悩むこともあるでしょう。
そこでここでは、そんな看板を設置することで集客力を上げるポイントやコツについてご紹介していきます。
設置する場所や位置で効果を上げる
看板設置で集客力を上げるためには、デザインなどのサイン自体の要素以外に、取り付ける場所や位置が非常に重要となります。
看板を設置する一番の目的は、それによって会社や店舗を見つけてもらうことです。そのため、看板を適切な場所や位置に設置できていないと、会社や店舗を見つけてもらえる可能性が低くなってしまいます。
そんな集客力を上げるための看板を設置する場所や位置として意識したいのが、発見までの距離と進行方向に対しての向きです。
なお発見までの距離に関しては、看板の7秒ルールと呼ばれる法則で理解することができます。
人はその会社や店舗を通る7秒前までに看板を認識できないと、どのようなところなのか正しく判断しにくいという特徴があります。そしてその結果、興味を持ってもらうことができず、そのまま通過してしまうのです。
実際、車の運転中に会社や店舗の看板を2秒や3秒ほどしか判断する時間がなかったとき、少し気になったけど通過してしまった、という経験を持っている方も多いのではないでしょうか。7秒ルールは、まさにこの現象を避けるために有効な手段なのです。
次はもうひとつのポイント、進行方向の向き、についてです。結論からいうとこれは、歩行者や車などの進行方向に対して直角に看板が設置されているかどうか、ということを意味します。一般的に会社や店舗に看板を取り付けるとき、これらに対して正面に設置してしまいがちです。
しかしこの場合、歩行者や車などの進行方向から見たとき、会社や店舗の真横を通るまで看板を認識することが不可能となります。そのため看板を設置するときは、進行方向から見て確認できる向きに設置することが望ましいといえるのです。
ちなみに上記のことに効果的な看板としては、突き出し看板や袖看板などがあげられるでしょう。これらは建物やビルなどの壁面から突き出しており、そして進行方向の両方から確認することが可能です。
なおこれらの看板について詳しく知りたいという方は、「袖看板(突出看板)|製作費用&LED等の商品種類&デザイン例&設置の注意点を紹介!ビル・店舗に突き出したサインで集客向上!」、をご覧ください。種類や費用など、設置する上で知っておきたい情報がまとめられていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
適切な文字サイズで読ませる
前述で看板設置の場所や位置が集客力を上げるために大切であるとお伝えしましたが、当然サインそのものも重要です。とくに看板のデザイン、とりわけ文字が大切となります。
なお文字において意識したいのが、そのサイズです。前述でご紹介した看板の7秒ルールを考慮しながら、ある程度距離が離れていても見やすい文字のサイズにするようにしましょう。また視認性という点においては、進行方向から見やすいフォントにすることも大切となります。
上記のポイントをしっかりと押さえることで、歩行者や車などに対して近づく前に看板を認識してもらえ、そして表示面の文字を読んでもらうことができるでしょう。
しかし文字が小さすぎてしまうと、看板の7秒ルールから歩行者や車などに認識されないこともあります。また、フォントによっては看板そのものの認識はされるものの、書かれている内容がわからない、という事態を招いてしまうことも。
そのため、看板を設置することで会社や店舗の集客力を上げるためには、上記のことにも注意するようにしましょう。
看板を定期的に点検・メンテナンスすることも大切
看板は、一度設置したらあとはそのまま効果を発揮してくれる、というものではありません。
というのも、屋外に設置される看板は当然汚れてしまうことがあるでしょう。また、時間の経過とともに劣化してしまうこともあります。そんな状態を改善することも、じつは集客力を上げる、ということにつながる場合があるのです。
実際、看板がとても汚れていると、見た目や印象がどうしても悪くなってしまいますよね。また電飾看板などにおいては、蛍光灯やLED、またネオンなどが切れてしまうこともあるでしょう。この場合、会社や店舗が営業していないのではないか、と思われてしまうことがあるかもしれません。
そうならないためにも大切となるのが、点検やメンテナンスです。
上記のような状態を日頃からチェックしておくことで、集客力が改善されることがあるのです。また、そもそも設置した看板をそのまま点検やメンテナンスをせずに放置しておくことは、事故などにつながるおそれもあります。
そのため看板の設置をした後は、しっかりと点検やメンテナンスをおこなうようにしましょう。
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また前述でもご紹介しましたが、看板を設置する上ではその場所や位置が集客力に大きく関係してきます。しかし、看板はどこにでも取り付けることができるというわけではなく、そもそも設置前にはしっかりと現場を確認する必要があるのです。
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5.まとめ
看板の設置を検討している方は、少し気が早いですが会計処理のため、耐用年数やこれと減価償却との関係性についてしっかりと知っておくことが大切です。なお看板の耐用年数というものは、その種類や材料によって異なるので、このことに関しても覚えておいてくださいね。
看板は、集客力に大きく関係してくるツールです。しかし、その効果を存分に発揮させるためには正しい設置場所や位置、また文字などにおけるポイントやコツについて知っておくことが大切となります。本記事でご紹介した内容を参考に、看板の制作、そして設置をしてみてください。
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